2022 賀正



明けましておめでとうございます
年明けから晴天!なんて素敵

元気ですか?
あたしは元気です



食べ過ぎてソファに転がったり
寒すぎて何度もお風呂に入ったり
久々につけたテレビでは
録画してたM1をちょいちょいみながら
ちょいちょい泣いてる
撮り溜めた映画を見たり本を読んでる

熱いもの飲みすぎた口の中は
上の方が少しひりひり


大掃除した部屋に

リリーの花が満開に咲いて部屋中がいい匂い

先月作った花瓶と箸置きが届いて
一気に豊かな気持ちになった


久々に自分のリズムで流れる時間が
とってもとっても幸せ


昨夜日付けが変わる頃
近所の神社の太鼓の音が聞こえてきた

太鼓の音にわくわくするのはやっぱり
日本人の血が流れてるからかしら

いつもひっそりしてる神社に
明かりが灯ってるのを初めて見た

朝方、空が明るくなる頃
誰も居なくなった神社に手を合わせに外に出ると

空気が冷たい


吸い込む度に身体が冷えてくのに
気持ちが良くて綺麗な気持ちになる




チーンと音が鳴る前に煙に驚いて止めた
すこし焦げたお餅

母さんが送ってくれるお餅は
毎年実家でつくもので
今年の栗きんとんは
父が趣味で育てたさつまいも

夜中にうらごししながら
美味しいって叫んだのがもう去年だなんて

見えない境界線を跨いだ気分



年末に台所に立つ時間が好きなのは
時間がかかる分だけ振り返る時間もあるからで


キッチンとゆう響きよりも
台所とゆう響きが好き


TIG-HUGSの結成
東北関西四国ツアー
ラジオ番組持たせてもらって
大きな会場で歌わせてもらったり
ワンマン2回やらせてもらったり
映画を撮ってもらったり
ある日突然思い立って金髪にしたり
眠れなくて何度も朝も夜も分からなくなったり
前髪をいつも切り過ぎたり
夜中にごんごん泣きながら文を書いたり
ギターを弾いたり曲を作ったり
歌って歌って歌って
簡単に信じて簡単に騙されて
出会ったり別れたり
愛して愛されて
泣いて喚いて怒って笑って



文字にできない気持ちも
文字にするのが勿体無い気持ちもある

思い出す一個一個は
あぁ全部あたしの今日まで生きてきた事
全部愛しい上出来ってことにして刻む野菜

人参の飾り切りが上手になってた
伊達巻が今年はちゃんと巻けた




去年の中で一番大きかったこと



じゃあ、あたしのとこ、おいでよ


なんであんな簡単に言えたのか今もわからない


初夏よりほんの少し前
あたしは年下のシンガーとその1歳半の子供と
3人で暮らしてた


自分でもびっくりするけれど

早く生まれた子供が
予定日通りに生まれてたなら
誕生日があたしと一緒だったこと

生まれた日があたしの
ワンマンの日だったこと


あの子が今まで色んな節目を話してくれてたこと、
いつも無茶苦茶なこと言うけど
なんだかついつい聞いてしまってたこと

人の面倒を見れるほど大きな人間じゃないと
あたしはあたしを知ってるけど

真夜中、前暮らして台所で
話を聞いてひっくり返ったあたしは

真夜中彼女を送っていきながら

大丈夫、あたしのとこおいで

そう言ってた





決めたら早いがあたしの長所で
なりふり構わないのが短所

あたしの性格や当時のあたしのボロ雑巾っぷり
を知ってる人たちに話すと驚き心配してた

当然だよね、ありがとう、

すぐ不動産屋さんに行って家を決めた
ちょっと揉めた

行ったこともない知らない町に降り立つ時
新鮮さと不安が人匙胸にくる
ツアーで慣れてる筈なのに
今回ばかり少し違ってたのは、どこかに
逃げたい気持ちがあったからかもしれない
心は一個しかないから困る
この頃あたしはあたしが嫌いだった





レンタカーの手配からはじまって
引越しや手続きライブやリハーサル
とにかくあたしはほとんど家にいないし
楽器だけ気をつけてくれたら
他は好きにしていいよって伝えて

あたしは家の中の権利を簡単に手渡した


事前に子供を持つ友達に注意事項だけ聞いて
あとはもう未知の世界に飛び込んだ


引越してきた当日

翌日人生でもう二度と来ないくらいの
筋肉痛を味わうほど階段を上り下りするあたしに

部屋から呼ぶ声がする

あの子が

「ありちゃん!大変!(子供の名前)が初めて立った!!!」


走って部屋に行って

えーっ!って、すごーいっ!てはしゃいだ

引越しできた日にこれはめでたい



そうして奇妙な3人暮らしは始まった


近所の人に挨拶するときは
妹と姪っ子です、って嘘をついた



あたしが終電で帰ったら
あの子とっても美味しいご飯作ってくれてたり
今日あったこと沢山話してくれる

娘が米をライスシャワーして大変だったとか
あたしの口紅をダメにしたとか
床のコロコロができるようになったとか
娘と喧嘩して大泣きしたとか
散歩に行ってきたこととか

こんなことあったあんなことあった
彼女の話を聞くのが楽しみで

帰り道
あの子の缶チューハイを買うのが日課



あたしがコーヒー淹れるね!って
淹れてくれたコーヒーは
いつもカップから悠にこぼれてて笑った

あたしはコーヒーの淹れ方を教えたけど
きっと彼女もう忘れてると思う



そうこうしてたら
夜泣きが始まって
しばらく二人でその声を聞いてると

はいはいでこっちにくる子供がかわいくて
あたしの一日の疲れやそれらは
もうどーでも良くなってしまった

骨は砕ける


たまに早く帰ると
ドア開けたら笑ってる子供がいて
膝から崩れ落ちた

血の気が引くくらいかわいすぎてかわいすぎて
やっぱり疲れやそれらが
どーでも良くなった

あたしはついに軟体動物になった
もうふにゃふにゃ


時間があるときは
お揃いの服を着てお洒落して
公園に散歩に行ったり街を歩いたり
上野に蓮を見に行った

彼女達が実家に帰る直前
同い年のギタリストが
奥多摩まで車で連れてってくれたりした

みんな今をいい思い出にする為に
優しかった


夜中に二人でおしゃべり沢山して
ありちゃんは昔から自分の事話さないって言う彼女に
いくつか打ち明け話もした

信用して欲しかったのかもしれないね
あたしは味方だよ、と


あれこれ話したけど一番鮮明に覚えてるのは
真夜中に猿の真似をして大爆笑したこと
ウキーウキーって二人で小躍りして
変な間取りの部屋の中を
ガニ股で両手をぶらぶらして動き回った
もうなんなのかわからないくらい笑った
笑い死ぬかと思った


たぶんあたしも彼女も
少しおかしかったんだと思う
絶対おかしかった



ファミリーパックのアイスを常備して食べた
おかげで太った
彼女が作るご飯はどれも最高に美味しい
おかげで太った

子供にいくつか芸を仕込んだ
これがあたしと暮らした思い出になるといいと
少し期待を込めて

両手を広げてハーイってあたしがしつこくしてると
真似してハーイってする

それはそれは
一昔前のギャルのポーズに他ならなくて
同時に自分の時の流れも感じた

令和生まれの最先端ガールが
両手を上げて真似すれば
もうどうしようもないくらい
かわいかった
謝りたくなるくらい優勝だった
とにかく笑った顔がかわいい
思い出してもかわいい


彼女達の寝てる部屋に
夜中入らなきゃならない時の忍び足は
二人の寝相の悪さに笑ってしまい震えた
寝てるあの子のほっぺに子供のお尻が
ひっついてて

暗闇の中ひとり悶絶した
おんなじ顔して眠ってるのが可愛かった


七夕には
願い事書いた張り紙がガスコンロのとこ
貼ってあった

なんでやねん、って笑った
無邪気な心が綺麗だと思った


朝あたしが台所に足をむけて寝てると
朝ごはんの支度をする音

あたしをつついてくる子供を

ありちゃん寝てるでしょ!って
抱きかかえてくその姿は
あたしが10代から知ってるあの子が
ミラクルな成長をした
立派で最高にカッコいい母さんだった


すごいと思った

守りたいものがあるとゆうことは
こんなにも人を強くするんだと思った

母ちゃんすごい


あたしがあたしの母さんに
経緯を説明したら母さんは笑ってた

少し良くなってた関係も
この2年くらい母さんとうまくやれなくて
電話するたび喧嘩してしまってたから
久々に笑った声聞いた

君がした親孝行はこの引越しだと言う
皮肉だなあ

君はいつもまったくほんとに
あはははって笑ってた
人のこと心配してる場合じゃない癖にと
でも笑ってた


子供に甚平と髪飾りを送ってきた
写真をくれと言うので送ったら喜んでた

母さんあなたの孫じゃないのよっていうと
だってあんだがほにゃららぷっぷー
またちくちく言い出す

そんな母さんに大晦日に電話したら
去年は父さん今度は母さんが具合悪くして
知らんうちに入院までしてたらしい

ネットで色々調べながら
そうなるまでなりふり構わず
働いて育ててくれたこと
すごく痛感した

わかってるのにごめんね母さん愛してる





叱られる覚悟でキャプテンに言ったら

ありちゃんが決めたなら

何があっても絶対その二人を守りなさい

と真っ直ぐ強く言ってくれた

びっくりした

キャプテンには色々見透かされていて
あたしは約束しますってお返事


あたしはその言葉で誰かを守る人になった


その後お疲れ様!次は自分のこと!って
背中をやっぱり押してくれた

敵わない、キャプテンには絶対敵わない




二人が実家に帰る日がきた

優しくも強く逞しそうな
彼女のお父さんが迎えに来た


お世話になりました
とんでもないです
寂しい思いをさせてしまいますね
涙が出そうになって喉がつまった
意地でも笑って見送ると決めてたのに


彼女たちを見えなくなるまで見送って戻った部屋
一気に片付け


初めて少し広く感じた
場所を取ってたチャイルドシートも
踏みそうになったおもちゃも
子供用の食器もベビーカーも
ここにはもう無い

ここにあるのはあたしの物だけ


あたしね
寂しいって気持ち持ち合わせてないと
今まで思ってきたの

寂しくなることがないと思ってたの


でも本当はずっと寂しかったことを知った
あの時もあの時も本当は寂しかった
言えなかっただけだったみたい
言えたら少し変わったかもしれない

もう少し素直に生きてもいい気がした


自分の気持ちに鈍感なこと気付いて
自分を大事にしてないことに気付いた
自分のこと好きになりたいなあって

片付いた部屋、夕暮れが

あたしはこの生活を大事にしようと誓った
家賃安く無いしコンビニで変な人に絡まれるけど
あたし今はこの生活を大事にしよう
でもしがみつかないように軽やかに


彼女達が実家に帰る数日前

あたしとあの子は見た

一歳半が初めて自分で立って歩き出したのを

すごーーーい!って手を叩いて喜んだ

尊かった、特別で凄くて愛しい
すごい、人生1年半の人間がくれる全てが
素晴らしくて感動的だった



ほらね!やっぱり!

どんだけ転んでもくじけても

立ち上がり歩くしかないのよっ!


あの子と言い合った
あたしは覚えておこうと思う



じゃあ、あたしのとこ、おいでよ

なんであんな簡単に言えたのか
今の今、少しわかる

あたしきっと楽しくやりたかったんだわ


何があっても
簡単にくじけたくなかったんだわ



あたしは軽率に何度も諦めそうになる
簡単にこっちにおいでと手招きしてくる

それでも出来上がったお節を食べながら
美味しさに誇らしくなった

抱きしめてるつもりで
抱きしめられているのはあたしの方

作って歌ってギター弾いて歌って
これがあたしの人生だと胸が誇れるようにしたい

今年も音楽であなたの側にいれますように


今年もよろしくお願いします!



年始一本目は企画から!
スケジュール鬼更新したから見てネ!