一生分のことを変えてしまいたい




寝て起きたら
言い合った理由も忘れた
言葉が多すぎてわからなくなった


寝て起きたら
いつものように
目覚ましアラームが鳴りっぱなしで

寝て起きたら
いつものように
誰も居ない静かで暗い部屋






母が事故したとゆうので
電話をかけたの


平気よこれくらいと言うけど
首を痛めたらしく
だめだよ病院に行きなよ、と
言えども聞かずは一ミリ狂わず
あたいの母

頼むよ行ってよって言えども聞かず
あぁほんと頑固者


あたいも昨日頑固と言われたけど
きっとあなた譲りよ
遺伝子が頑固なのよ

こうなったら
体に湯を注いで柔らかくするしかないわ



それどころじゃないよ
妹に電話を変わってもらって
少し話をすれば
彼女は泣いていて

姉さんももらい泣きしてしまう


君がその子を大事に思ってたことと
その子が君を大事に思ってたこと
覚えておこうね

なんて偉そうに言いながら
もうじき命日の友達の顔が浮かぶ


不思議よね
なんで思い出す時
思い出される人はいつも笑顔なんだろう


それは生きてる人も然り


なんでいつも笑ってるんだろ


あんだけ喧嘩したのに
あんだけ泣かせたのに


なんでいつも笑ってくれるんだろう




電話口の泣き声はつらい


側に居るなら
背中をさすってあげられるのに



写真はあたいが東京に上京した夏に
さよならした
大事な家族





家を出る日思いっきり撫でたのに
姉ちゃん帰って来るまで
元気で居てねって言ったのに


その3ヶ月後に母から
泣きながら留守番電話に入ってた報告
まだ消せずにいる



あたいの右足には
彼が噛んだ傷が残っていて
君がうちに来た日
まだ小さくて走り回って
名前をつけようと話した
あたいの案は通らなかったけど

妹が生まれた日も同じ


美しい未来が来ますように


って名付けられた妹の名前




姉さんお願いだから
ちゃんと休んでちゃんと食べて
死なないで


って泣く妹


笑っちゃだめだけど
笑ってしまった

ばかね、ってなんだか


君はあたいに似ず優しい

美しい未来が来ますように



げんきだしてほしいな




大事なものには大事と
愛するものには愛してると
ごめんねひとつの素直も
言えるうちにちゃんと言いたい

そう教えてくれた命の数々よ


なによりも

君が好きだと言いながら
燃える命が報われない

のさ